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【心療内科Q/A】「大人の発達障害です、『ミラーニューロン』って何なのでしょうか?」【大人の発達障害】

A.

医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

発達障害、特に「自閉スペクトラム症(以下、ASD)」について

調べていらっしゃられると、

「ミラーニューロン」という言葉に出会うかもしれません。

 

 

ミラーニューロンとは、脳内の働きに関わっており、

相手の動きを頭の中で真似る(トレースする)働きをします。

私たちは、実はこの「相手の動きを頭の中で真似る」ことによって、

相手の行動や考えを理解できるようになる、と言われています。

ASDの方は、生まれつき、このミラーニューロンの働きが弱いために、

「変動(変化)するもの」を理解し把握するのに時間が掛かってしまったり、

困難が生じてしまったりするのです。

 

 

「変動するもの」の具体例としては、

「人の感情」「人の表情」「仕事の流れ」といったものが挙げられます。

ASDの方が、予想外の仕事や予定が入ってしまうと、戸惑ってしまい、

柔軟に対応することが難しいのは、ここに由来しているのです。

 

そして、「変わらないもの」に対しては安心感を抱きます。

それは、「数字」や「漢字」といったものが典型例として当て嵌まるでしょう。

 

 

職場において「柔軟に対応してね」「ケースバイケースだよ」といった指示ほど、

ASDの人を戸惑わせるものはないかと思われます。

そして、実際このことにより、職場不適応を起こしてしまわれるASDの方も、

決して少なくはありません。

 

 

「柔軟に」「ケースバイケース」という表現をされていたとしても、

当然そこには一定の線引きであったり、

法則、規則性、暗黙のルール等が存在しています。

もし可能であるならば、

その点を職場の方に具体的に伺えることが最善策でしょう。

 

 

ただ職場の方も、

「感覚的に」「体感として」「体験的に」分かっていらっしゃられるため、

「言葉として」明示化するには中々大変であることが想像されます。

その時は、ご自身で、

「この場合は、こうする」というストック(記録、メモ、ケースファイル)

を作成されていき、

「その都度、その対応を行うようにする」といった工夫をされていかれるのも、

かなり有用であるかと思われます。

 

 

 

このコラムを読まれて、

ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください

 

 

当院では、大人の発達障害(ASD、ADHDを含むをはじめ、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、

睡眠障害、自律神経失調症、月経前症候群、統合失調症、強迫性障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。