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【心療内科Q/A】「ADHDです、不注意・多動・衝動性以外の『特性』を教えて下さい」【大人の発達障害】

A.

医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

ADHDの方の特性として、

まず挙げられるのが、不注意・多動・衝動性の3つですが、

実はADHDの方の特性は、個人差がありながらも

他にも具体的にいくつかあることが知られています

中には、発達障害の方共通のもの、とされる特徴も含まれています。

 

不注意や多動・衝動性での説明が難しいため、中には、

「これはADHDの特性からではなく、自分の性格によるものだ」と思い、

一人で悩みを抱えてしまわれる方も少なくはありませんので、この機会に、

不注意・多動・衝動性以外に起こり得るADHDの特性を知って頂き

ご自身への振り返りと、対策作りに役立てて頂けましたら幸いです

 

 

 

■ 睡眠障害:仕事中につい居眠りをしていることはありませんか?

ADHDの特性を持たれている方は、睡眠障害を伴いがちです。これは、ADHDの方の体内時計が通常よりズレをきたし易いことに由来しています。「不眠」より「過眠」の方が多い傾向がり、特に「過眠」が仕事に影響(居眠りや遅刻等)を及ぼしてしまうと、「本人の努力不足だ」という誤解をされかねません。

また、体内時計のズレ以外にも、ご本人がご自分の「疲れ」に気が付きにくい(自覚しづらい)という特性により、「疲れ」により眠気が引き起こされてしまう場合もあります。

他にも、仕事の内容が単調だと飽きてしまう傾向があり、飽きにより眠気が起こることもあります。

いずれにしても、余りに睡眠障害が甚だしい場合、対処をしていかないと昼夜逆転にも繋がりかねませんので、その方に合った対策を立てていく必要があるでしょう。

 

 

■ 感覚過敏(または、感覚鈍麻):職場の音や光が辛くなってしまうことはありませんか?

五感の刺激に敏感(または、鈍麻)というのは、発達障害の方全体に共通する特性のようです。五感の内、どれが敏感であるかは個人差がありますが、ADHDの方は「聴覚」「触覚」に対して特に敏感な方が多いようにも思われます。

もし、職場のコピー機の音や、室内の雑音が耐えがたい場合、職場と相談して、ノイズキャンセラーや耳栓使用の許可や、机の配置換えの打診などをされてみられては如何でしょうか。

また、直接肌に触れる衣類に対して敏感な方もいらっしゃられます。デザインだけではなく、ご自分の肌に合う素材やメーカーを意識されてみられることをお勧め致します。

 

 

■ 協調運動機能の障害:細かい手作業が苦手ではありませんか?

ADHDの方の特徴として、手先の細かい作業を手際よく行うことが苦手、というものがあります。これは脳内でのイメージと、手・指・足の動作イメージが即座に連動しづらいことに由来します。学生時代には体育で球技が苦手であったり、家庭科が不得意科目であったりした経験はないでしょうか。

大人になっても、調理をされる際に、指を怪我される方も多くいらっしゃられるため、調理器具の工夫(調理ハサミの使用等)や、予めカットされている野菜を使うといった工夫をされている方もいます。

また、実際に書かれた字が、相手から「読みづらい」と指摘されることが頻繁にある方は、気持ち大きめに文字を書かれたり、パソコンでプリントアウトされたものをご提示されたり、といった工夫をされていらっしゃられるようです。

 

 

■視空間認知の障害:階段を踏み外されることが頻繁にありませんか?

これは「ものの見え方(捉え方)」に関連しています。ものの位置関係の把握が上手くできず、職場でも他者や机にぶつかってしまったり、外では、車体をこすってしまったり、段差を踏み外してしまったりと、ADHDの方の中にはこの障害の影響で、何かと事故やケガの経験が多い方がいらっしゃられます。ADHDの方の通院歴を伺うと、外科にお世話になる回数が非常に多い方がいるのは、この特性に由来しています。また、ご本人が怪我をされても、痛みに鈍感な場合があり、後から骨折等に気が付くといったケースも見られます。

 

 

 

このコラムを読まれて、

ご自分の状態として気にかかる点が出てこられた方は、

どうぞ当院まで気軽にお問い合わせください。

 

当院では、ADHDを含めた大人の発達障害をはじめ、

うつ病、躁うつ病(双極性障害)、不安障害、適応障害、摂食障害、

パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症、月経前症候群など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。